同窓会からのお知らせ

再編計画の概要

栃木県教育委員会は、少子社会の進展に伴う生徒数の減少に対応するため第三期県立高等学校再編基本計画を策定しました。
この計画の中で、宇都宮東高等学校は高校生の募集を停止し、全生徒が中学から入学する中等教育学校に転換、1学年定数を現在の160人から40人減らして120人にする計画が示されています。
県教委は、この計画について生徒数の減少に対応するものでなく、中高一貫教育をさらに発展、充実させるため中等教育学校へ再編するものと説明。再編に伴い単位制授業の導入など少数精鋭による難関大学を目指すより進学校に特化した編成にするとも説明しています。

計画の問題点

私たち同窓会は、再編計画の基本的方針には賛同しておりますが、宇都宮東高等学校に関する再編計画の中で、いくつかの内容に疑問や問題があると考えております。
中でも定数減は県教委が示す高校の適正規模を下回っています。また、男女の比率枠を撤廃したことで、女生徒が多数を占める懸念があります。
現に令和6年度は合格者の7割弱が女子になっています。ジェンダー平等社会の下でも男女のバランスが大きく崩れた状況は中学、高校教育の基本的なあり方に深刻な懸念があります。
また、計画策定にあたり同窓会をはじめ保護者などの意見を聴取することなく進められ、関係者を置き去りにして策定したことにも不信感を拭えません。

要望書提出

同窓会は、県教委に説明を求め令和6年2月16日に担当者を招き説明会を開きましたが、計画に沿った説明のみで疑問や懸念を払拭できるものではありませんでした。
さらに3月25日付で県教育長宛に3項目の要望書を提出しました。
内容は
① 1学年定数160人を維持する。
② 男女の定数比率をそれぞれ50%とする。
③ 再編、改編計画策定に際し、同窓会やPTAなど関係者へ説明し、意見聴取を行い、理解を得る。
の3項目です。

定数削減の影響

同窓会は、3項目の中でも定数削減を最も重視しています。
基本計画では高校の適正規模を1学年160人から320人としながら、なぜ適正規模を大きく下回る120人に削減するのか。
県教委は、当初計画で定数140人案を示しましたが、地区別説明会やパブリック・コメントで「他の公私立中学校への影響が大きいため再考すべき」との意見を受けて、140人から120人に変更したと説明しています。
全県から応募できる制度の中で、20人程度の増減が本当に他中学校に影響を及ぼすのか極めて疑問です。
また、中学生を含めると720人規模になり適正とも説明しています。高校の適正規模に中学生まで加算する不思議な理屈付けです。
中学、高校時の教育は、多感な成長期にある生徒に最も重要な時期です。勉学はもとより運動や文化部活動、学校行事を通して培われる協調性、社会性そして豊かな人間性の育成に極めて大切です。そのためには必要充分な規模を確保することが欠かせません。
現在の1学年160人の下でも部員不足により廃部が相次いでおり、生徒たちが望む多様な部活動に支障が出てきているのが現状です。
学力養成を強化し難関大学を目指す生徒を輩出することに異議を唱えるものではありません。
しかし、学力を偏重するあまり、人間形成の場が欠落した教育現場の在り方に懸念を抱かざるを得ません。

今後の対応

同窓生、保護者の皆さまに県教委が進める県立高等学校再編に伴う宇都宮東高等学校に係る内容と、その懸案事項について記載しお知らせしました。
将来にわたって宇都宮東高等学校で学ぶ生徒たちに「正・剛・寛」の校訓の下、培ってきた伝統を継承し、生徒たちにより良き教環境を確保していくのも同窓会や保護者、学校関係者の役目と考えています。
同窓生は、引き続き今後の情勢を注視しながら生徒数の適正規模を確保し、本来あるべき中等教育学校の実現に向けた活動に取り組んでゆく所存です。
皆さまのご意見をこの宇都宮東高等学校「東栄会」にお寄せください。
また、署名活動は同窓会各支部で行いますので同窓生、保護者の皆さまにはご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

ご意見は、 E-mail:info@toueikai.jp.net まで
お願い致します。

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